小児のアレルギー

主なアレルギー疾患

• 食物アレルギー
• アトピー性皮膚炎
• 気管支喘息
• アレルギー性鼻炎・結膜炎（花粉症）
• 蕁麻疹(じんましん)
• 舌下免疫療法

• 食物アレルギー

  食物アレルギーは、特定の食物を摂取することによって、皮膚のかゆみやじんましん、喘息様症状（咳や喘鳴）、腹痛、嘔吐などの症状を引き起こします。日常の食生活に直接関わる疾患で、軽度のものからアナフィラキシー（重篤な症状が急激に出現する反応）という生命に関わる危険な状態になることもあります。
  原因食品として、乳児期から幼児期にかけては、鶏卵、牛乳、小麦に反応することが多く、成長するにつれてエビやカニ、そば、落花生、果物類などのアレルギーが増えてきます。当院では、まず本当に食物アレルギーであるかを判断し、その後、簡易的なトレーニング等を進めさせていただきます。重症な場合などは適切な専門病院へ紹介させていただきます。

• アトピー性皮膚炎

  アトピー性皮膚炎は、かゆみの強い湿疹を主症状として、良くなったり悪くなったりを慢性的に繰り返す皮膚の炎症性疾患です。原因としては、皮膚の乾燥やバリア機能の低下により、皮膚の表面に隙間ができ、そこから様々な細菌や刺激物質、アレルゲンなどが入りやすくなって炎症が起こると考えられています。治療において大事なのは、ステロイドなどで適切な治療を行い、少しでも早くきれいな肌にし、保湿剤等でそれを維持することです。きれいな肌を維持することが、体質の改善に繋がり、将来の丈夫な肌へとなっていきます。

• 気管支喘息

  気管支喘息は、空気の通り道である気管がアレルギー性にただれて過敏になり、発作的にゼーゼー・ヒューヒューといった喘鳴（ぜんめい）や呼吸困難、夜間の咳などが起こります。この状態を喘息発作といい、明け方や天候の変化、風邪をひいたときなどに出やすくなります。
  乳児期の風邪の代表的な原因ウイルスは、ヒトメタニューモウイルスやRSウイルスで、これらの感染を繰り返すと喘息を発症しやすくなるといわれています。
  喘息をきちんと治すためには、早い時期に正しい診断に基づいた治療を始めることが大切であり、発作を起こさせないことです。疑わしい症状がある場合は、お早めの受診をおすすめします

• アレルギー性鼻炎・結膜炎（花粉症）

  アレルギー性鼻炎・結膜炎の原因として、花粉（スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、ハンノキなど）が最も有名ですが、そのほかにダニ、ハウスダスト、ペット類（ネコやイヌの抜け毛やフケ）なども挙げられます。花粉症とも呼ばれており、近年は発症が低年齢化しています。
  アレルギー性鼻炎は、鼻や目のつらい症状のみならず、鼻が詰まって口呼吸になり、風邪をひきやすくなったり、放置すると副鼻腔炎（蓄膿）を起こしたりすることもあります。

• 蕁麻疹(じんましん)

  じんましんは皮膚の一部が突然くっきりと赤く盛り上がり（膨疹）、基本的に24時間以内に跡形もなくかゆみと皮疹が消えるという特徴があります。80％の蕁麻疹は原因がわかっておらず、疲れや体調不良などの一時的なストレスと考えられております。
  一度発症すると、蕁麻疹が出やすい状態になるため、しっかり蕁麻疹が出現しない期間を作ることが治療となりますので、抗ヒスタミン薬などの飲み薬が中心となります。

• 舌下免疫療法

  当院では5歳以上の方に、スギ花粉やダニに対する舌下免疫療法を行っております。この治療は、3～5年と長期にわたる治療のため、最初に意思の確認や検査を行わせていただきます。ご希望がございましたら、お気軽にご相談ください。（3月～5月にスギ花粉に対する舌下免疫療法は開始できません）